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5.アーキテクチャ→エレクトロニクス

デバイスごとに動作理論があるように、サブシステムごとに、固有の理論(例:A/D変換理論、信号伝送理論)がある。これらをつなぐのが上位アーキテクチャである

アーキテクチャとは、「電子システムの成り立ちに関する階層的な表現」といえる。サブシステム、インターフェース(接続)、信号、スケジュールなどが記述され、これらを実現するためのアナログ・デジタル回路が設計される。その回路もまた一つの電子システムとしてとらえて、下位の記述をすることができる。

また、アーキテクチャとは「設計仕様を俯瞰したもの」と考えられる。これは一つの技術表現階層であり、回路素子を並べた回路図に踏み込む前に粗いレベルで、何をつくるのか、どう作るのかが表現され、個々の回路設計に関係する複数の人々の意識合わせが行われる。ある程度規模の大きい回路においては、特徴はこのレベルで表現できるとよい。そして、もし、そのブロックの中身がイノベーションならば、このレベルで明言しておくこと。

具体的に、アーキテクチャは、信号と、信号に対する操作手段としてのブロックの組み合わせで表現され、回路への習熟は取り扱う信号への習熟と車の両輪である。

この思想をつきつめていくと、エレクトロニクス機器に到達する。どんな機器もサブモジュール(部品)を組み合わせ、繋ぎ合わせてアーキテクチャがきめられる。

ここで、部品を作る立場と、部品を使いこなす立場が発生する。

・部品を作る立場:使う人がどんなモデルでとらえているか理解した上で、そのモデルパラメータのどこを改善したのか明確にする

・部品を使いこなす立場:多様な各部品の特徴を理解して、システム目的に対し最良と考える選択と接続や配置を決める