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電子回路とアーキテクチャ

●デジタルの進化

・かつてはH/Wの制限からあまり高精度(多ビット)な演算はできなかったが、いまや、好きなだけ精度を上げられるといってもよい。つまり、デジタルはアナログをエミュレートできているのである。

ならばデジタル屋とアナログ屋が同じ言葉をしゃべらなければおかしいではないか。それが信号とアーキテクチャであって、そのインプリ形態としてデジタルとアナログがあると考える

●信号を考えすぎると

・計算アルゴリズムの話に行ってしまう。回路屋としては、見切りが必要

・あくまでデジタル回路アナログ回路共通言語としてのアーキテクチャ論、信号論であるべき。

 あまりに複雑ならば・・といってもFFTレベルが基準だが・・Whatとしての数式まで書いて、Howとしてのインプリはソフトウェアです!と言い切ってもよいのでは。

 「その計算で、どんな答えを得ることを期待しているか」が重要

●電気回路と電子回路

電気回路

・例:受動回路 ・アンテナ ・電力線

・所定の装置に基づいて発生した電磁気エネルギーを別の装置まで適切に伝搬するように構成された接続方法を指す(不要な成分の除去も含む)

・電磁気現象を取り扱いやすいように抽象化した概念であるR,C,L(M)の集中定数素子が、ぼぼ具象としても実現される。そのため:

 ・「部品をつないで所望の特性を得る(つなげば動く)」というエンジニアリングスタイルを可能にし、そのように「つないで作ったもの」を電気回路と称するようになった。

 ・数学で基礎付けされているので大規模化にも資する。回路網理論が発達。システム論と融合まで(Bode 帰還の理論)

・電磁気学的現象を適切に伝搬させるために、アンテナ以外は電流経路がループになっていることが特徴である。電流経路に着目した動作解析手法が確立している。

・受動回路は、周波数特性を実現するように設計することができるので、これによって通信の多重化が可能になった

・交流はトランスによって電圧を自在に変えることができるので、これによって交流の電力系統が実用化された(エジソンは負けた)

電子回路

・電気回路という土俵上で、さらに電子デバイスを追加して、増幅に代表される伝搬効率向上に資する機能を実現したもの

・「増幅」作用の本質は電子デバイスの非線形性と3端子性であって、それは能動素子、スイッチ手段へとたどり着く。  (もっとよい言い方はないか・・)

・スイッチ手段の組み合わせによって、ブール代数で基礎付けされたデジタル回路を作ることができるように。数学で基礎付けされているので大規模化にも資する。

・もはや接続手段をはるかに超えて、信号処理、計算、制御などの複雑な機能まで実現している。

数学的基礎づけがなされている点は「アーキテクチャ」という視座に有益ではあるが、「アーキテクチャ」は必ずそれ以上の人間の思考が必要になる部分を備えていることは忘れてはならない(「組み合わせの妙技」みたいな話)

●エレクトロニクスシステムの再定義から始め、アーキテクトの思考

・デジアナが普通。クロックが必要。クロックを使いこなすためにアナログ技術が重要。

・昨今のアナログ技術は古来の電源を理想として臨む姿勢から脱却が必要だった。我々はそれをやり遂げた! (これを知らずに悩んでほしくないのである)

〇システム設計ではサブシステムの 「特徴付け」をおこなう。まずここにワザがあることを伝える

デバイスのキャラクタライスとは異なり、トップダウンで与える

★章立て (順番は要検討)

・システムと信号  (電子回路にやらせたいこと)

・オームの法則、さらに電磁気・デバイス    (電子回路の動作原理)

・そして回路  (やらせたいことの実現)

全体を通して・・・話題に挙げたことは、実用性担保・向上の観点からできるだけ深掘りする。特に非理想性の解説・取り扱い方法は丁寧に。「新しいデバイスの発明・・云々」の学術的側面は本当に期待していることだけにとどめる(今のところ思いつかず2023.8.30)

<概要編>

・どんな回路でも的確に読み解くことができ、必要に応じて無駄のない計算ができる(上手な近似を含む)、設計の回路の勘所をつかむことができる(設計者)

・回路の特徴を簡潔に表現することができる(知財担当者等)

● 電子回路の構成:そもそも「電子回路」って何者かを理解する

・エレクトロニクスは「回路」でできている。その「回路」は実体であるとともに概念である。

・部品(R,L,C,Di,Tr,Tube,他)と配線(導線、伝送線路、自由空間も)でできている。

・共通機能:エネルギーの流れがある ・共通の要請:負荷を駆動する ・Nice To Have:駆動元に迷惑かけない

・活用: エネルギー伝送、信号伝送

・競争軸:電力、H/W規模、特定の仕様項目、複数の仕様項目のバランス

・まず「電流の姿態」のバリエーションとして、抵抗、PN接合、金属ー半導体接合(半導体デバイスでは避けて通れない)、そしてエネルギー蓄積手段としてのC、Lは「聞いたことあるかもしれないが、ここでは電子回路で無視できない本質素子、寄生素子であることを語ります!と。

 ・例えば容量は、FETの動作原理を記述するための主役。

 ・Lは、「形あるものにはインダクタンス」と、高速化の障害になる話。

 ・逆に、L成分とC成分が主役の伝送線路。こちらはR、Gは寄生素子

 ・強電系はそのエネルギー密度の優位性からLを活用する。

●目的:意味(価値)を備えた電気現象を伝える

・送り側 電気現象を作成する

・受け側 電気現象を受け取り必要としている作用に変換する

電気現象 ・・・ 「情報」「電力」

意味(価値)・・・ 「情報エントロピー」と「エネルギー」

作用 ・・・ HMIを駆動、電動機を駆動、化学反応システムを駆動、熱の発生

● 電子回路の種類

・アナログ: 増幅回路、演算回路、濾波回路(フィルタ)、発振器、位相同期回路(PLL)、DAC、 ADC、RFシステムなど

・デジタル: 情報収集、記憶、演算、信号処理、信号出力、制御

●3大要素

・センシング

・信号伝送

・駆動

・高度なシステムでは、情報生成、情報解釈などの処理を明示的に挿入したほうがわかりやすいこともある。

例)通信システムを介在する場合

・特にHMIなどでは、人間が担うモジュールもある

・駆動からセンシングまでは、エレクトロニクスの外側であり、所与のものである場合が多い。こういう場合でも、等価回路を使ったモデリングが威力を発揮

 ・解析が可能になる

 ・所与の部分であってもその改良やエレクトロニクスと組み合わせた時の最適設計が可能になる

●デジアナ  (信号処理の必要性は「信号概論」のところで説明済)

・なぜ複数のクロックがあるのか

 ・信号規格、サンプリング

 ・計算の最適化

 ・出力レート

・干渉

 ・PSRR (縦軸、横軸)  特に横軸PSRRが見落とされやすかった。

●  回路をおおざっぱにとらえるーその1:伝送、伝送システムを理解することで、回路に求めるべきことを明らかにする

・アース、グランド、接地、機能接地(EMANの物理学より必要性を認識)

・減衰、干渉などによる劣化。ブースター(中継器の必要性) ・デジタル伝送は、この中でさらっと提示(上記「シリアル通信」の具体例として提示できる)

●唐沢 無線技術者のためのHilbert変換    Hilbert_TR-YK-013.pdf (uec.ac.jp)

アナログ通信の場合は、ベースバンド信号と変調の定義が明確である。周波数0Hzを中心としたアナログ信号を“ベースバンド信号”、この信号を搬送波の振幅・位相・周波数の変化に変えて高周波信号を得る操作が“変調”である。情報(=ベースバンド信号)を電波に乗せる(=変調)というイメージである。

ディジタル変調では、電波に乗せるというよりは、ビット列を複素平面状にシンボル点としてマッピングするその仕方が変調と呼ばれる(BPSK, QPSK, QAM など)。電波への変換は、周波数変換(アップコンバージョン)に過ぎない場合が多い。ベースバンド信号は音響波形のように実数量をさす場合もあるが、本稿では、IQ 面上にマッピングされた複素量(シンボル情報)の時間変化信号をベースバンド信号と呼んでいる。

●相関回路とは(アバウトな言い方)

・式の通り2つの信号を掛けて積分する、つまり内積

・積分~平均と見立てることもできる

・H/W的には、積分のところをLPFで作ってもよい場合もある(特にアナログ復調)

●最も身近な電子機器であるスマホで語る 

 ・スマホを考え尽くす

 ・スマホがどうなってるか、面白おかしく語れないだろうか

 ・スマホの仕組みはどうなのか書いた本あるか

 ・スマホのアーキテクチャをきちんと語っているYouTubeあるか

●PRアーキテクチャを共有して、デジアナ協業する話はできるかもしれない(要するにディスク信号処理)

・ただ、難しくなるとデジタルにハイライト。例えばディスク信号処理ならMLまで行くと、抽象化されたチャネルの信号処理をするデジタル技術にハイライトされる傾向

●動的システム

・大規模言語モデルも、応答モデルだ。

・最尤判定に似ている。数値ではなく単語を選択するところが違うだけ

・応答モデルと相関判定はユニバーサルなもの

 ・物差しを使って内積をとる

 ・表現方法、いくつかあるが、マルコフ的側面に着目することは共通。

  ・微分方程式、状態方程式

  ・漸化式、差分方程式

  ・条件付き確率、マルコフ過程

  ・状態遷移図

 ・単なるRCでも、そのように見立てることができる。回路自体が、リアルな応答モデルである

  ・とはいえ、相関演算と、インパルス応答の畳み込みは符号が違ったりするので、よく整理すること   (リアルかモデル(リファレンス)かの違いにも思える)

<回路システムの中で必要な信号処理・操作のための機能>

・電子工作レベルでも、「アンプ」「フィルタ」「DCシフト」「電源」「発振器」「加減算」「掛算」ぐらいまで導き出せる

●増幅

●周波数特性の積極的作りこみ

・フィルタ  目的:いらない成分を落とす

・等化(イコライザ)     目的:ISIを小さくするために波形ひずみを補償する

・プリエンファシス+ディエンファシス、ドルビー は、具体的な回路も併せて提示できるので、話がコンパクトにできるかも。

  目的:伝送チャネルの「特性」を補償するために、伝送前に特定の周波数帯を持ち上げて、伝送後に落とす

                   「特性」の例    ケーブルの損失による信号の鈍り

                              FM復調による高周波ノイズの増大

                              磁気テープシステムでのヒスノイズ

・共通

 ・有理関数であらわされるのはなぜ?(集中定数を使うから) 

 ・バタワース、ベッセル、チェビシェフの違いについては、極配置、F特、時間軸波形、群遅延を通り一遍

 ・さらに減衰したところのプロファイルが時間軸波形にどう効くか。(伝達関数小細工レベルでよい)

 ・理想LPFができない理由

  ・周波数特性に極以外に不連続点は持てない(はず・・どう説明できるか・・複素関数論か?)

  ・複素関数ではゼロ点は連続しない → 「とても小さい」とすると、阻止域ゼロ点(逆チェビシェフ)が考えられる  Paley-Wienerの判定基準

  ・因果律 → 時間ずらし、近似

  ・コストも ・・急に落とすためには次数を高くする必要 (藤井先生の説明がよかった気がするなあ)

 ・フィルタの仕様が数個の「○○Hzで△△dB」から成り立っている場合、それを実現するのに

  ・比喩的ではあるが、スプライン補間などを出して、「F特は急には曲がれない」ことを納得してもらうのがよいだろう。そのための言い方として

   ・「1を近似する(=理想LPFを近似する)関数で、LCRで使いやすいものを選定してきた」

   が使える。 

 ・群遅延。いろいろな周波数がおおむね一定時間遅延するが、カットオフ近傍だけ妙なことになる描像。

  ・「共鳴周波数近傍ではスルーできない」でよい   ・マッチドフィルタ・・デジタル復調で重要 相関を得るために、時間軸反転して共役にしたインパルス応答との畳み込みをやっている。

●クロック抽出

・クロック同期 (PLLの応用として説明してよいのでは)

・データリカバリ (クロックが無いところからリカバリするのがすごい!)

●同期

・イメージャ HS、VS

・アナログTV Sync

・デジタル 同期パターン

●異なるサンプリング系のインターフェース

・補間フィルタ (Television Standards Converter、Audio Standards Converter) (記憶構造特にFIFOの話ができる)

・イメージセンサの画素補完(サンプリング周波数は同じでもRGBで空間位相が異なる) (リニアマトリクス)

・I/QインターリーブADC  (位相が異なる) (Lagrande補間)

●変復調

・AM,FM/PM、ASK、FSK、PSK、  (時間軸、スペクトル、アイパターン、コンスタレーション)

・UWB(波形に特徴)

・SS(DS,FH)、OFDM(スペクトルに特徴)

●符号化 (帯域幅との関係も)

・DPCM

・予測符号化

●LMS

・関数のフィッティング、フーリエ級数、から最適化フィルタへ

・その前に内積(アナログ回路インプリすると、基底の振幅を増やした分だけ内積が増えるので、共変になる。ADCはLSBを基底と考えれば反変。この違いを活用すると面白い、簡約な理論ができないか)

・色々な「予想」それぞれ、モデルをもっている。   例 畳み込み符号、天気予報

 信号処理の場合は応答モデルである

 殆どのケースで、帯域制限で近似的に表現できるのではないか

・信号処理にて、ブロックからブロック、ステップからステップへと伝播させるのは必ずしも信号レベルでなくてもよく、統計量や抽象概念でも良い

 例 確率微分方程式、BP(Belief Propagation)は信頼度が伝播

信号処理HWについて(アナログ)>

●ADCの役割り

・ADCがやたらと大きく、電力を食いまくっていたころは、これを最小にするために、周辺回路も協力。

 ・適切な振幅に増幅

 ・余計な成分はフィルタで落としておく

・ところが、これらをデジタルでやるようになってくると、ADCに求められる性能が厳しくなってくる。それはどういうことか?

 ・入力に余計な周波数成分が含まれている分、振幅が増える

  ・またそれがAWGNだったりして、真ん中近傍に集中しているのが悔しい

 ・デジタルで余計な成分を正確に除外するには、余計な成分も正確にAD変換しなければならない。

  ・とてもむなしい気がするが「ゴミは正確に分別しましょう」と納得するしかない

・基本性能だけではなく、LSIに搭載するために、小型化、低電力化、頑健性も求められる。

・なんという理不尽な

●RFのアーキテクチャの基本

・空を飛んでいる広い周波数帯の信号のごく一部を抜き出して、トータルで150dBとか増幅する ・電源やデバイスに制約があり、一度にやれないから、少しずつ、いらないところを落として増幅(電源電圧内で収まるように)、これを繰り返す