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アーキから教える回路論

・まずナマモノとしての電子部品がある

(基礎物理:劣化メカニズムとキャリア生成メカニズムのどちらにもボルツマン因子があることを知っておくぐらいでよい)

・集積回路は化学反応で作る構造物

(作り方:具体的な回路の図面情報を、光を使って描き込むことを知っておけばよい)

・その回路がどんなものかは「システム」「アーキテクチャ」の階層にて語られる

↓ 必要なこと

システム、アーキテクチャで観/見/診られる

・システム、アーキテクチャレベルの実体も「回路」と呼ぶ
 ・この階層の技術は、日本の弱点になってしまった
 ・材料、製造装置ではまだ存在感があるものの、特にLSIは弱い。
 ・過去、シェアをとれていたのは、メモリと簡単な頃のマイコンぐらいじゃないか?@1980年代

 ・モジュール化を伴うアーキテクチャ技術が離陸したころから置いてきぼりを食らっている
 ・3次元集積技術も同じ道をたどることが危惧されている(「教養としての半導体(菊池)」)

「アーキテクチャ」の対語は「インプリメンテーション」

つまり、「アーキテクチャ」はインプリされるべき構成

やりたいこと(Why)を実現するためにシステムにやらせたいことの連鎖(What)。それをどうやるか(How)が「インプリメンテーション」と考えられる。

「アーキテクチャ」から入るとTrレベルのイノベーションからは遠くなるぞ~

こういう回路を考えるのに必要なものは何だろうか?

A 0.004-mm2 200-MS/s Pipelined SAR ADC With kT/C Noise Cancellation and Robust Ring-Amp | IEEE Journals & Magazine | IEEE Xplore

Ring-Ampというものを嘗め尽くして、それを活用するアーキテクチャを考えるという順番である。

「回路を嘗め尽くす」とはどういうことだろうか。

「アーキテクチャ」で連想されがちなこと

・オープン/クローズド または すり合わせ/モジュール の対比の話が思い出される可能性大。これをWelcomeとしなければならない(多分大丈夫)

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ツカミ1・・・ 技術マップ

・電気・電子工学の視野
 ・発電所からデバイスまで

ツカミ2・・・ 電池 スイッチ 電球(ここから始める電子回路)

・スイッチを早く語る
・SWと抵抗があればDACもデジタルもPWMも語れる
・回路論の全貌
 ・回路論とはどんなものかから始まって、1枚に基礎理論骨子と応用を全部曼荼羅的に書いてしまう
 ・基礎理論のところは、RLCの定義のための方程式だけぐらいでも、四角で囲んで表象化すればよい (V=RI、Q=CV、φ=LI)
・回路論の位置づけ
 ・デバイス~回路~システム(情報/エネルギー伝送)
・「情報」「信号論」も明示

回路アーキテクチャを語るために必要な概念

・数学(接続、微分方程式) → 回路諸定理、ソルバー
・物理(電磁気、電子物性) → オームの法則、非線形素子、能動素子、信号と電流の正体(特に移動速度について。1Aってどのぐらいの速度か?)
・信号(時間、周波数) → いろいろな電気・電子システムの目的と成り立ち      (交流計算ばかりやっていると、信号イメージを失ってしまうのではないか?)

回路アーキテクチャを語るために必要な筋道・・特に2ポート行列

・電気回路の教科書における、2ポート回路までの道筋は慎重を要するはず。

・2ポート回路の前に1ポート回路を用いて等価回路の考え方をしっかり身に着けてもらうとよい。そして、回路の話には、等価回路の話と実回路の話が混ざっていることが多いことを知っておくこと。

・回路に関する諸定理、例えば、KCL、KVL、重ね合わせ、補償定理などで、具体的な素子が出てくる回路の計算例を使って教えると、

 2ポートパラメータが出てきて戸惑うのではないか。それまでさんざん細かいことを言っときながらいきなりブラックボックスが出てきて中身はどうでもいいと言うのだから。

・そもそも今時の電子回路の仕様は2ポートだけで語れないじゃないか! ブラックボックスといっても2ポート行列が定義されているわけではない。

・トランジスタの等価回路でつかっているレベルのものを、ブラックボックスというべきではないだろう・・今時「トランジスタをブラックボックスとして取り扱う」っておかしい。トランジスタを表すSpiceモデルがあるわけだから。昔は2ポート(hパラメータなど)でデバイスをモデリングしていたが、現代のデバイスモデリングはもっと複雑。

・2ポート行列は、ブラックボックスなどと逃げっぽいことはは言わず、「等価回路の定式的表現方法。入出力ポートのインピーダンス整合、前向き後ろ向きの伝達特性を漏らさず記述する手法」とする。アッテネータ、LCフィルタなどの受動回路網、伝送線路、ディスクリートTrを使うRFで実際に使っている。(F、Y、H)。今はあまり表には出てこないが、これをベースにフィルタの合成などの理論が開発されていることは言っておく。いことを知ってもらい、「どのように分けて語るか」を示す

回路理論のリアリティUp

・理論だけだと、それら一つ一つがなんのことか、なんのためか、なにをやりたいのかわからないことも多いと思う

・回路理論の個々のアイテムの応用例を充実させたい。例えば

 ・過渡現象論 ・・ TV、信号伝送など「複雑な機能」をもつ電子システムで必須のパルス回路を掌握するために必須

 ・2ポートパラメータ ・・ フィルタを上手に設計する (符号理論のように、誤り訂正を上手に作る、というのと同じ位置づけ)

 ・変調理論 ・・ 電波を飛ばすために必須

 ・フルヴィッツ多項式??

回路の分類(デジタル vs アナログ)

・アナログ/デジタルという分類では、非線形動作する回路が全部アナログに入ってしまう。

・具体的な部品が出てくる回路になるとデジタル屋は「アナログはわからない」と思考停止になる。一方、アナログ屋はパルス回路は「デジタル」だと思っている傾向。

・ただ、必然性で悩むようなひねりを入れないこと

 (特に程度の低いアナログ屋ほど、OPアンプ回路をやりたがる)

・動作特徴に基づく分類がよいのではないか :リニア回路vsパルス回路vsデジアナ回路システム

 ・デジタル回路は「パルス回路」の上位構成ということにする

 ・デジタル回路には先頭に立って信号処理と対峙してもらう

 ・信号理論のうち、物理現象の記述に近い、ラプラス、フーリエ、jωをアナログからコミットする

・相互にサブシステムを含むこともありうることを例示する

・リニア回路
 ・入力または出力がアナログ物理量 (「時間」を除く)
 ・アンプ、コンパレーター
 ・ADC、DAC (パルス回路をサブシステムとして含む)
 ・多値信号伝送回路

・パルス回路
 ・時間軸アナログ、PLL、TDC (コンパレータに代表されるリニア回路をサブシステムとして含む)
 ・PWM  (電源、Audioなど。平均化された値によって情報や電源電圧が伝達されることが想定される)
 ・2値信号伝送回路
 ・いわゆるデジタル回路のビルディングブロック

・デジアナ回路システム
 ・リニア回路やパルス回路を箱またはコードとして取り込み、複雑なデジタル動作に基づく新しい機能を実現する  ・複雑なデジタル動作によって、リニア回路やパルス回路では実現しえなかった複雑なアナログ動作をエミュレートすることもできる(例:Read Channel、受信機など)