sgm-san

電子回路の構成

電子回路の構成(基礎)

★デバイスとシステムを回路技術がつなぐ

 ・抽象的に語られているシステムおよびシステム要素や、 先端テクノロジ※への対応および新しい活用を、エレクトロニクスで具現化する。設計技術を含む。

★電子回路は部品を配線でつないだもの。その部品のうち、物理学的なまなざしを向けたいものを殊更に「素子」と呼ぶことにする。

★電子回路には、トランジスタなどの「能動素子」と、RLCなど、そもそも普く存在していたパラメータをうまく取り込んだ「受動素子」がある。前者はエレクトロニクスの新しい価値を具現化する。後者は前者を使いこなすためのお膳立てとなる。また「受動素子」は置いたつもりがなくても寄生成分として入り込んできてしまうことにも注意。平易な例では、 「能動素子」同士をつなぐ配線の寄生R,Lやその配線と他の配線とのC,Mがある。要するに、意図した/意図しない「受動素子」を使いこなすことが必要である。

★信号を大きくしたい! マクロにみると、VCVSでゲイン1以上とか、CCCSでゲイン1以上とか、VCCSでgmx負荷R>1、CCVSでzmx負荷G>1という夢を考えることができる。この段階で、エネルギーを補うための電源が必要なことは理解できる。限定するわけではないが典型的には直流電源。電圧が決まっているので、基本的にはその電圧範囲内で動作させねばならないので電流制限や電源電圧制約の影響で非線形性が発生することを理解しなければならない。

★この線形部分や都合の良い非線形性を取り出すために動作電位をうまく設定する必要がある。端子一つずつ電源を置くわけにはいかないので、少数の所与の電源電圧をもとにして、適切な電位を発生するためには受動素子をうまく使う。よく使われるのはRによる分圧である。Rは、電磁気学をベースにしながらも、統計物理も取り入れた電子輸送メカニズムを併用して語られる作用を活用し、所与の電位差内に電位勾配を発生し、任意の電位を取り出せることが特徴。電位差がある系で電位のもととなる電界によって電子輸送されるのでエネルギー消費は避けられない。

★Rは電位だけではなく、増幅率などの回路の性能にも影響する。できれば、バイアスポイントを決めるのと回路性能を決めるのはそれぞれ勝手にしたい。

(→能動負荷  非線形の話をしてから)

★なお、LとCもスイッチを併用すればRと同じようなことはできるが、スイッチ素子はすでに「能動素子」に属するので、具体的構成や動作の解説は後述とする。またTrで作る「電流源」という回路要素(これも具体的には後述)とRの組み合わせで必要な電位を発生することも考えられるが、この場合の電流源は非線形抵抗と考えればよい。ほとんどの電流源は非線形抵抗として考えておいてよいが、たまにゲートにDCではない信号が引印加され、単なるバイアスポイント発生器とは言えない場合もあるため、実はややこしい。

★配線には、 「寄生素子」 がある。無視できる場合もあるが、高性能化に求めに応じてケアをする必要がある。ほとんどのケースでLCR回路網によって表現される「等価回路」として、もともと作ろうとしていた回路図に追加して検討対象とする。

電子回路の構成(信号処理ブロックの特徴とアーキテクトとしてのまなざし)

・「電子回路」を箱に入れるとエレクトロニクス機器になる

・以下を備える

 ・入力と出力

 ・電源(GND)

 ・デバイスを所望の電位で動かすためのバイアス系統 (バイアス分配信号)

 ・周波数または時間の基準を発生して分配するタイミング系統 (タイミング信号)

・センサーモジュールの場合は、入力は電気信号ではなく外界からの刺激かもしれない

・トランスデューサモジュールあるいはアクチュエーターモジュールの場合は、出力は電気信号に限定されず力学的物理量かもしれない

・サブモジュールには、電源がある回路と電源がない回路があるが、その違いは本質的ではない。

 システムの中には必ず電源があると考えてよく、その中で、電源がある部分を見ているのか、電源がない部分を見ているかの違いである。

・半導体の集積度Up(←微細化)に伴い、電源電圧は下がっていくトレンド。小さくなる電源ーGND間で何とか工夫する努力が必要。(委細後述)

・タイミング系統は3つに大別

 ・クロック系

  ・OSC、PLL、クロックツリーで構成し、デジタル系、AD/DA、ミキサに対して基準時間(周波数)情報を供給する

 ・同期/リセット系

  ・システムの初期化を行う。(初期化の在り方も設計マターである)

  ・FFの非同期リセットにとどまらない。

  ・特に走査機能を備えるものは、走査開始もしくは終了を認識するための特別な信号が必要。

   ・2次元イメージを扱う回路では、Vsync、Hsync

 ・デジタル回路と同じような作り方をするが、CMOSでそれをやると電源電圧変動がタイミング変動に化ける点に課題。

 ・かつては、「パルス回路」と称し、スイッチング動作を行うアナログ回路が多数考案され、オシロスコープからTVまで、走査を伴う電子機器に活用された。

  現在、アナデジ混載が当たり前になっていて、最上位はデジタル設計手法に基づいて構成・検証が行われる。それに伴い、設計手法の一部がデジタルに移行、

  クロック系:アナログ要素を含むOSC、PLLをアナログ設計。クロックツリーはデジタル設計。   同期/リセット系:システム全系で考えねばならないことであるため、デジタル設計。

電子回路の構成(信号処理ブロックの特徴とアーキテクトとしてのまなざし)

・「電子回路」を箱に入れるとエレクトロニクス機器になる

・以下を備える

 ・入力と出力

 ・電源(GND)

 ・デバイスを所望の電位で動かすためのバイアス系統 (バイアス分配信号)

 ・周波数または時間の基準を発生して分配するタイミング系統 (タイミング信号)

・センサーモジュールの場合は、入力は電気信号ではなく外界からの刺激かもしれない

・トランスデューサモジュールあるいはアクチュエーターモジュールの場合は、出力は電気信号に限定されず力学的物理量かもしれない

・サブモジュールには、電源がある回路と電源がない回路があるが、その違いは本質的ではない。

 システムの中には必ず電源があると考えてよく、その中で、電源がある部分を見ているのか、電源がない部分を見ているかの違いである。

・半導体の集積度Up(←微細化)に伴い、電源電圧は下がっていくトレンド。小さくなる電源ーGND間で何とか工夫する努力が必要。(委細後述)

・タイミング系統は3つに大別

 ・クロック系

  ・OSC、PLL、クロックツリーで構成し、デジタル系、AD/DA、ミキサに対して基準時間(周波数)情報を供給する

 ・同期/リセット系

  ・システムの初期化を行う。(初期化の在り方も設計マターである)

  ・FFの非同期リセットにとどまらない。

  ・特に走査機能を備えるものは、走査開始もしくは終了を認識するための特別な信号が必要。

   ・2次元イメージを扱う回路では、Vsync、Hsync

 ・デジタル回路と同じような作り方をするが、CMOSでそれをやると電源電圧変動がタイミング変動に化ける点に課題。

 ・かつては、「パルス回路」と称し、スイッチング動作を行うアナログ回路が多数考案され、オシロスコープからTVまで、走査を伴う電子機器に活用された。

  現在、アナデジ混載が当たり前になっていて、最上位はデジタル設計手法に基づいて構成・検証が行われる。それに伴い、設計手法の一部がデジタルに移行、

  クロック系:アナログ要素を含むOSC、PLLをアナログ設計。クロックツリーはデジタル設計。   同期/リセット系:システム全系で考えねばならないことであるため、デジタル設計。

電子回路の構成(重要な観点)

・ポテンシャルの任意性

 ・複数の素子が組み合わされ複雑度が上がると、もう、個別素子の電磁気学からは離陸して、全体を回路としてとらえる必要がでてくる。このとき信号電圧の基準が必要。これをGNDとかREFとか言う。

 ・一番都合のよいノードを0Vとすることができる

 ・残念なことに「電圧」「電位降下」などいろいろな言い方があって混乱必至だが、とにかく「電位」と「電位差」の使い分けが必要。「電圧」は「電位差」のことである。というより、「電圧」が曖昧なときに「電位差」と言って、「A地点とB地点との電圧(電位)差」という意味を明示する。

・基準電位にいろいろなサブサーキットがつながっているシステムの理解には、KCL、KVL視点が必要。特に、GNDだけつながっている場合には電流の行き来はないこと、GNDとほかの信号がつながっている場合には電流の行き来(リターン)が発生すること。

・電源あるいはGNDは理想ではない。バイアス系統も。実は信号も同様。

 ・理想でない電源とは、2つの側面あり。電圧が一定ではないこと、インピーダンスが0ではないことが該当する。

・「電流の気持ち」を考える必要性

 ・電源・GNDの電流が大きくなっていく。

   ・集積度x√2 → 面積x2、 電源電圧x1~1/√2(?) 電流x1~√2   同一性能の要素回路を使うLSIならば、電流は2~2√2倍になっており、電圧降下が増加。

 ・電源・バイアス系統の干渉がある。干渉は信号同士の加減算になる場合と乗算になる場合がある

  ・理想ではない電源が擾乱入力として存在すると、解析検討は最低でも2入力1出力になる (GND基準)

  ・さらにクロックがあると3入力。そもそもクロックがあるということは、意図した動作としての乗算があるといえる。

 ・入力インピーダンスが∞ではないことによる入力信号の劣化

 ・入力間の干渉

 ・出力負荷がゼロでないことによる駆動力の問題及び電源電圧ヘッドルームの食いつぶし

・回路理論の中でも特に電源とインピーダンスに関する理解

・放送通信などで使われる変復調とほぼ同じ、信号の乗算の理解

・設計指針

  ・周波数関係の設定をうまく設定して回避(乗算を意識)

  ・回路ブラシアップで擾乱入力の抑圧: 電源・GND系統設計、波形品質向上(鈍り、オーバーシュート撲滅)

  ・干渉をキャンセルする仕組み

 などを考える。

詳しくは「ノイズと歪」に。(「電流の気持ち」と「ノイズと歪」の関係はかなり入り組んでいる。丁寧な提示が必要)