sgm-san

「中級」について

中級者:性能を語る。治す。

まず、そもそも回路でやりたいことがあるはず。それを成し遂げるために必要な電気的特性群を「性能」という

典型的な項目

・性能1 出力範囲、駆動可能な負荷(、温度範囲、電源電圧範囲)
・性能2 動作速度(周波数応答、時間応答)
・性能3 精度(誤差、ノイズ)

谷口本記載のOPアンプの設計事例には精度の仕様が無い(P190)

電源電圧3.0V
利得A>1000
利得帯域幅積 200MHz
SR 150V/us
負荷容量 CL 1pF
入力範囲 1.3~2.5V
出力範囲 0.5~2.5V

「治す」場合、設計で決めた定数の再調整が必須。そこで、まず習得するのは

・目標性能を実現するための定数決定の原理

とする。定数決定だけでは治しきれない場合には

・トポロジー変更(大発明は求めず、入出力のP/Nの選択など)

が必要になる。その際、

・所与のトポロジーにおける限界を明確にしたうえで、変更案を作る必要があり、ここでも「目標性能を実現するための定数決定の原理」が必要

#

定数決定の原理とは

・素子定数と予想性能を関係付ける仕組み
・回路理論と素子モデルに基づいた計算式で示される

#

各章、どんなトラブル解決に繋がるかを明示する
「治せる」ことを標榜するのだから、教材は指南書として使えねばならない

#

初級者の例(馬鹿にしすぎかもしれない)

曰く、
増幅回路のシミュレーションをしました。電源は1.2Vです。0.5V入力で0.45V出力なので、ゲインは0.9です。

状況によってはリーズナブルな報告になり得るが、問題ありそう。

・レンジ端の意識がないかも
・オフセットを気にしてないかも

#

・昔の人はシミュレーション無しでも作っていた。
・ここまで語れる!と実感して、自分もやれるようになりたいと思って頂く
・自分で手を動かして成功体験を積み上げていくことで、中級者としての自信をつけて頂く

・精度を出す手法としては「絶対値は期待せず、差分に着目」

 ・共時的に差分を得る → 差動構成
 ・時間軸で差分を得る → Sw-Cap
 ・時間軸で平均を得る → チョッパ

#(そもそも)

・治すためには、どのような思想・論理で作られたのか理解できる必要
・そこを飛ばして「どこをどうすればよいんですか」は無いだろう。
・どのように理解するのか → 回路解読技術