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OPアンプ10講

●Lecture 0  概論

・エレクトロニクスとは、から。
・本コースのMapを作ってみる (学習のゴール)

●Lecture 1  Trの大振幅/小振幅動作

・SWと増幅の違いが振幅の問題であること
・信号の取り出し方、使い方で、アナログ/デジタルの差がでる。つまり、人間が勝手に「Trの使い方」としてアナログ/デジタルを決めただけであって、Trは何も知らない

・SWや増幅が可能になるということは
 ・動作条件内で、非線形をもつこと
 ・少なくとも3端子(入力1、入力2、出力)デバイスであること

・小振幅動作ではノイズとの格闘、大振幅動作では電源電圧との格闘に

・大振幅動作で電源電圧を仲間にしたのがデジタル回路だが、今度は電源電圧を振り切らなければならないとかスイッチング電流が大きいという課題が。
・これを解決するのに定電流小振幅ロジック。ECL、LVDSなど、出力I/Fで重宝。

・小振幅動作と、小振幅特徴量(特性)との違いをよく理解すること。.acで求められるゲインは特徴量として1次近似の係数を抽出したもの

・小振幅動作においてはノイズとの格闘になる。

●Lecture 2  OPアンプを作りたい

・なんで? 簡単に使いこなしたいから

 ・“回路固有のバイアス電圧を外で作るのはイヤ”。 1ーTrのアンプでは電源を抵抗で分圧して電位を決めて、C結やトランスを使って入出力

 ・少なくとも入力の基準電位は回路に依存せず外部の都合で決めて、それを供給できるようにしたい

 ・フィードバックの威力 簡単な外部回路で正確なゲインを得ることができる(詳しくは後述)

・そのOPアンプの理想像とは

 ・信号入力と基準入力 → 差動入力(注:MUSTではない。電流帰還アンプで差動入力というのは適切ではない)

 ・Trのバイアスは内部で作ること

  ・外部からKnownなDC電圧供給→(電圧安定化)→基準電流生成→レプリカTrに食わせてTrのバイアス電圧発生→Trに供給

 ・大ゲイン(用途によって40dBだったり60dBだったり80dBだったりいろいろあるが、「20dBのOPアンプ」はちょっとはずかしい)

・どうやって使えることを期待しているか(正相、逆相、加減算、微積分、比較器、定電流源、インスツルメンテーションアンプ、整流、変調)

●Lecture 3  大ゲインの実現。Dレンジを気にしなければならない。

・OPアンプを作るにはMOS1段ではゲインが不足。

・ゲインUp手段(Pro/Con必要)

 ・カスケード接続

 ・カスコード接続

 ・折り返しカスコード接続

 ・Current Reuse (ゲテモノ) ・消費電力、Head roomとの闘い。電流を折り返したりして、電源電圧内に収めて特性を得る。ほぼ職人技・・歴史を学ぶこと

●Lecture 4 フィードバックのご利益

・復習 ゲインが減るが、誤差が減って、帯域が伸びる

 ・具体的な数値を代入して帰還の効果を実感してもらう (オーディオアンプで、10%FBぐらいでどの程度ゲイン安定度が得られるか・・・谷口本参照)

・一般形を図面レベルで嘗め回してみる・・入力に追随させるシステムを組んでいること

 ・途中情報に価値あり

 ・途中で混入した誤差は抑圧

・PLL、DSMもフィードバック

●Lecture 5  伝達関数を嘗め回す

・Laplace変換(演算子法)

・Low PassとHigh Passに分ける

・部分分数、Hevisideの展開(知らないやつ多い)

●Lecture 6  つないだ時のF特

 ・各段の入出インピーダンスが段間で並列接続される ・・ 2ポート回路の復習

 ・安定性の話 深入りしないが、Nyquistの安定判別と、誤解釈されたバルクハウゼン基準との違いは話しておくべきだろう

●Lecture 7  誤差

・補償定理、感度解析

・2乗和の原理

 ・実際の回路での2乗和の使い方

  ・gmベースで増幅する回路では、誤差は電流ドメインで加算し、最後にgmで除して入力電圧に換算することになる ・・・ これを誰も教えてくれない

・DC誤差(系統誤差、ランダム誤差)

・誤差積み上げ解析演習 (馬鹿正直にオフセットを計算させる。いろんなことが学べる)

・ノイズの原因

 ・回路ノイズ(Thermal, Shot, Flicker)

 ・入力ノイズ(当たり前のようでいて、明示少ない)

  ・NF

  ・過大入力にかかわるノイズ(保護Diが導通)

 ・干渉ノイズ(共通Z、C結、電磁誘導)

 ・複雑な干渉ノイズ(掛け算がある場合)

  ・RFのいろいろな妨害

  ・ノイズサンプリング(周波数差、位相)

 ・心構え

  ・回路設計が電力との妥協点を探るように、主にPinCountにかかわるコストとの妥協点を探る必要。盲目的に「電源インピーダンス下げろ」だけでは妥協点が見いだせない。

  ・実物で、必ず遭遇するはず。どのノイズか特定しなければ適切な対応ができない。

●Lecture 8  アナログ回路システムへー電流で加算

OPアンプから一歩踏み出すために必要な思考

回路解析観点 (OPアンプで話したこと、一階層上からReview) 

・gmベースで組み立てる回路の誤差計算。電流誤差を加算していって最後に入力gmで入力誤差に変換する、という計算方法

複雑な回路を構築する観点:

・電流でバイアス基準を配る構成(これはできるだけ早い段階、「アナログ回路システム」の話をしたときにその具体的な系統図として見せたい)

・カレントミラー比は、要するに加算(を重ねた乗算である)

・BGRで、VTをRに映して、PTAT電流を作る。その後、温特負のVBEに比例する電流と加算する。

・OPアンプの加算回路は、仮想接地へ流れる電流を加算して、Rに食わせている

・インスツルメンテーションアンプgmでFBして電流加算 (ノイズがその分増えることも)

●Lecture 9  新しい回路構成法 ー クロックで動作するOPアンプ回路

・チョッパアンプ オフセットキャンセル

・SwCapアンプ

 ・C結だが、クロックによって、DCバイアスポイント充電期間と、信号増幅期間を設ける

・Note これとは別に SwCap等価R  

●Lecture 10 応用回路システム

・ADC パイプラインADC

・DAC 仮想接地を活用

・PLL チャージポンプあたり? ・RFレプリカループ